近年の春風亭小朝を語る上で欠かせないもう一つのハイライトが、弟子たちの目覚ましい活躍です。中でも、女性落語家として歴史的な快挙を成し遂げ続けている蝶花楼桃花(ちょうかろうとうか/旧名:春風亭ぴっかり☆)の存在は、師匠としての小朝の手腕を世に知らしめました。
男社会の色彩が濃かった伝統的な落語界において、女性が真打として浅草演芸ホールの主任(トリ)を務め、テレビやラジオ、雑誌など多方面でブレイクすることは極めて困難な挑戦でした。小朝は彼女の入門当初から、無理に男性の型に押し込めるのではなく、女性ならではの華やかさや情感を活かした高座を推奨し、徹底して実力を磨かせました。
時に厳しく、時に温かく背中を押し続けたその師弟関係は、伝統芸能の旧弊を破るイノベーションとして業界内外から高く評価されています。小朝自身が若い頃に「新しい時代の落語」を切り拓いてきたフロントランナーであったからこそ、弟子の個性を信じ、羽ばたかせることができたと言えるでしょう。