超高齢社会を迎えた日本の住環境において、バリアフリー設計はもはや特別な仕様ではなく標準的な必須要件となった。国土交通省の高齢者対応住宅ガイドラインにおいても、自立した排泄動作の維持と介助スペースの確保が重視されている。
車椅子での旋回や介助者が横に立つことを想定する場合、0.75坪(1365mm×1820mm)から1.0坪(1820mm×1820mm)の空間が目安となる。出入口の有効開口幅は最低でも750mm、できれば800mm以上を確保し、段差をなくしたノンレール引き戸を採用するのが鉄則だ。
手すりの配置にも緻密な計算がいる。立ち座りを支える縦手すりは便器先端から200〜250mm前方に、姿勢を安定させるL型手すりや水平手すりは便座面から220〜250mm上の位置に取り付ける。壁下地の補強工事はリフォーム時にしか行えないため、将来の設置を見越した下地補強を新築・改修段階で仕込んでおく判断が極めて重要になる。