ネット上の情報では「全滅」と誤解されることも少なくないステーキいわたきですが、2026年現在も堂々と暖簾を掲げ、ファンから「聖地」として崇められている代表格が「ステーキいわたき 鶴見店」(神奈川県横浜市鶴見区生麦)です。
京急本線の生麦駅から徒歩圏内、第一京浜(国道15号)沿いに位置する鶴見店は、ドライブ客だけでなく近隣の工場地帯で働くワーカーやファミリー層に愛され続ける生きた化石のような名店です。レトロアメリカンなウッド調のファサードをくぐると、店内には鉄板の上で肉が爆ぜる芳ばしい香りと活気が満ちています。
現場を訪れるとすぐに理解できるのが、大手チェーンが徹底する「効率化・無人化」とは対極にある、温もりあるホスピタリティと妥協のない仕込みです。ハンバーグは冷凍パティを機械的に焼くのではなく、厨房でしっかりと空気を抜いて焼き上げる手ごね仕込み。ソースも創業時からの伝統的なガーリック醤油やデミグラスソースがしっかりと息づいています。
かつて存在した千葉県の各店や「野川店」などの惜しまれた閉店を経て、現在確認できる実店舗は極めて希少となっています。それゆえに鶴見店は、単なる食事処の枠を超え、昭和・平成のバイキング文化をそのまま体験できる貴重なアーカイブ施設のような存在感を放っているのです。