結論から言えば、2004年に発表されたシングル「ツバサ」自体は、特定のアニメの主題歌として書き下ろされたものではない。当時、大手レーベルであるフォーライフミュージックエンタテイメントからリリースされたこの楽曲は、草の根のライブ活動とラジオのパワープレイから火がつき、累計50万枚を超える大ヒットを記録した。タイアップ依存が強かった当時の音楽シーンにおいて、ノンタイアップに近い叩き上げの形でヒットチャートを駆け上がった稀有なアコースティック・ロックである。
では、なぜアニメとの関連性がこれほど強く噂されるのか。その背景には、2000年代 mid-00s におけるアニメソングカルチャーの急速な変容がある。叙情的なコード進行とどこかノスタルジックな世界観が、当時の深夜アニメやファンタジー作品の雰囲気に驚くほど合致していた。テレビ番組やラジオの特集でアニメ作品の映像と共にBGMとして流れる機会も多く、視聴者の頭の中で「アニメの主題歌」として記憶が上書きされていったのだ。