郵政関連の各種統計資料や大手文具メーカーの調査データを紐解くと、個人間の年賀状や季節の挨拶は前年比で減少傾向を維持している一方、法人および一部の感度の高いビジネスパーソンの間では、手書きやハガキによるコミュニケーションが見直されています。SNSやメッセージアプリ上で日常的に何十通もの通知に追われる現代人にとって、ポストに届く「形ある手紙」は際立った視認性と特別感を持つためです。
大手マーケティング機関が実施した「受け取って印象に残った季節の挨拶」に関するアンケートでも、デジタルメッセージ(メール・LINE・Slack)とハガキを比較した際、ハガキの方が「誠意を感じた」「相手への好感度が上がった」と回答した割合が約3.4倍に達するという結果が出ています。知恵袋やSNSなどの生の声を見ても、「暑中見舞いを出しそびれて焦っていたが、立秋を待って残暑見舞いを送ったら『丁寧な人だ』と取引先から電話をもらえた」「手書きの一言が添えられたハガキを見て、久しぶりに旧友に連絡を取るきっかけになった」といった肯定的な体験談が多数寄せられています。
大量送信されるメールマガジンや定型的なチャット通知が埋没しやすい環境だからこそ、物理的なハガキという媒体が持つ情緒的価値が、人間関係を再接続する強力なアンカーとして機能している現場のリアルが浮き彫りになっています。