ネット検索で頻出するネムの木における毒性の有無について、植物成分の観点から正確な事実を整理します。
ネムの木の葉や花には人間や犬猫に対して重篤な致死性毒性はありません。ただし、秋に実る豆果(種子)には微量のサポニンやアルビジンと呼ばれる成分が含まれており、小動物や幼児が大量に誤食した場合には消化器系の不快感や下痢を引き起こす可能性があります。通常の観賞や葉への接触でかぶれる心配はなく、過度な恐れは不要です。
漢方医学においては、樹皮が「合歓皮(ごうかんひ)」、花が「合歓花(ごうかんか)」という生薬名で重用され、精神不安、不眠、抑うつの緩和に用いられてきた歴史があります。
さらに、ネムの木の風水と縁起に目を向けると、本来は極めて縁起の良い吉木であることが分かります。中国では「合歓(歓びを共にする)」の字が当てられ、かつて不仲だった夫婦がこの木の花を煎じて飲んだところ仲睦まじく戻ったという故事から、「夫婦円満」「家族の絆を深める木」として中庭のシンボルツリーに重用されてきました。夜に左右の小葉がぴたりと合わさる姿は、互いに寄り添う夫婦の象徴とされています。