健康診断や人間ドックの普及に伴い注目度が高まっているのが、仮想大腸内視鏡検査とも呼ばれる大腸コロノグラフィ検査です。従来の光学内視鏡検査では、肛門から最深部の盲腸まで約1.5メートルものファイバースコープを挿入するため、腸管の屈曲が強い人や開腹手術歴のある人にとっては耐えがたい腹痛を伴うケースがありました。
これに対し、大腸CT検査では細く柔らかい専用カテーテルを肛門から数センチ挿入し、炭酸ガスを注入して腸管を均一に拡張させた状態でマルチスライスCT撮影を行います。撮影自体は仰向けとうつ伏せの2体位で各10〜15秒程度、息を止めるだけで完了します。高精度な画像処理ワークステーションによって、あたかも腸の内部を内視鏡カメラで進んでいるかのような3次元画像を瞬時に再構成できる点が画期的です。
大腸の全貌を数ミリ単位の断層データとして記録できるため、管腔の狭窄(狭まり)や腸管の外部への浸潤、周囲の解剖学的構造まで同時に把握可能です。「長時間のスコープ挿入に耐えられない」「腸が癒着していて奥までカメラが入らなかった」という受診者にとって、苦痛を最小限に抑えつつ大腸全体をスクリーニングできる極めて有力な代替手段となっています。