精神科医療の現場において、現在重視されているのは「完全な治癒」だけをゴールにしないアプローチだ。広場恐怖症からの回復は直線的ではない。良くなったと思ったら翌日には発作が起きる、という一進一退のプロセスを辿る。
公表した芸能人たちの多くも、「病気を完全に治す」ことよりも「上手につきあっていく」姿勢を重視していることを語っている。認知行動療法を取り入れ、小さな成功体験を重ねること。自分の限界を認め、辛いときには「助けて」と言える環境を作ること。
「発作が起きても死にはしない」「逃げてもいい」。そう自分を許せるようになったとき、恐怖の波は少しずつ小さくなっていく。彼らのリアルな葛藤と回復のプロセスは、完璧主義に苦しむ現代人全体への処方箋とも言える。