京都を訪れる参拝者の多くが抱く疑問が、「上賀茂神社と下鴨神社はどちらを参拝すべきか、何が違うのか」という点です。地理的には、賀茂川の上流に位置するのが上社(上賀茂神社)、高野川と合流する下流の糺の森に鎮座するのが下社(下鴨神社:正式名・賀茂御祖神社)となります。
決定的な違いは御祭神の神格と家族関係にあります。下鴨神社にお祀りされているのは、上賀茂神社の主祭神の母である「玉依媛命」と、その父(祖父にあたる)「賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)」です。つまり、下鴨神社は「御親神(みおやのかみ)」であり、上賀茂神社は「御子神(みこがみ)」という親子関係で結ばれています。
信仰のエネルギーとしても、上賀茂神社は「外に向かって力強く道を切り拓く」陽の気質を帯びており、下鴨神社は「内なる生命力を満たし育む」母性的な陰の気質を象徴しています。どちらが上という序列ではなく、両社を揃って参拝することで、心身の邪気を払い、良き運気を定着させる完全な循環が完成するとされています。