ベティ・ブープの歴史を紐解くと、現在の姿からは想像もつかない驚きの原点に突き当たります。1930年にマックス・フライシャー率いるフライシャー・スタジオが制作した短編アニメ『Dizzy Dishes』で初登場した際、彼女は人間の女性ではなく「擬人化されたフレンチ・プードル」でした。
当時のデザインを見ると、頭の両サイドに黒く長い垂れ耳が生えており、鼻先も犬のように尖ったボタン鼻として描かれていました。その後、キャラクターの人気が高まるにつれて徐々に耳がフープ状のイヤリングへ、鼻が小さな人間の鼻へと描き直され、1932年頃にようやく完全な人間の女性へとキャラクターの経緯がシフトしていったのです。
なお、ベティちゃんのモデル元ネタとしては、当時「ブープ・ブープ・ドゥープ(Boop-Oop-a-Doop)」のフレーズで一世を風靡していた人気歌手ヘレン・ケインや、ジャズシンガーのベイビー・エスターが知られています。奔放で魅力的なフラッパーガール(1920年代の新しい女性像)の歌声をそのままアニメーションに落とし込んだ結果、人間と動物の境界にあるような奇抜なヴィジュアルが生み出されました。