日本テレビ番町スタジオを正しく理解するうえで欠かせないのが、港区東新橋にある汐留本社(日本テレビタワー)との機能的な棲み分けです。日本テレビは2003年に本社機能を麹町から汐留へ移転させましたが、すべての番組制作が汐留に集約されたわけではありませんでした。生放送を中心とする報道・情報番組は汐留が担う一方で、大掛かりなセットチェンジや大人数の観客動員を伴うエンターテインメント番組を収録するための拠点として、旧社屋跡地に新設されたのが番町スタジオです。
2018年8月に竣工し、開局65周年を迎えた同局の次世代制作拠点として稼働を開始した本施設は、地上11階・地下5階、延床面積約46,000㎡を誇ります。最大の特徴は、地下1階に配置された国内民放最大級のテレビスタジオ「C1スタジオ(約260坪/約860㎡)」と、中型番組向けの「C2スタジオ(約160坪/約530㎡)」を擁している点です。最新鋭の4K・8K対応設備やフルLEDのスタジオ照明バトン、大型クレーンカメラを自在に操れる無柱空間が確保されており、映像演出の自由度は国内トップクラスを誇ります。
観光地としても親しまれている汐留本社には、マスコットキャラクターのグッズが並ぶオフィシャルショップや宮崎駿監督デザインの大時計、一般利用可能な飲食店が充実しています。一方の番町スタジオは、純粋な「コンテンツ製造工場」としてのセキュリティと制作効率を極限まで高めた設計となっており、商業テナントや一般向けの常設展示エリアは一切設けられていません。この明確な機能分離こそが、両施設の決定的な違いです。