森保一監督が目指すフットボールは、固定観念にとらわれない完全な動的フットボールだ。相手のプレス強度やピッチ上のスペースの生まれ方に応じ、瞬時に配置を変える柔軟性がチーム全体に浸透している。守備時には5バックの強固なブロックで相手のインサイドハーフを消し込み、奪った瞬間に最前線とシャドーが一気にスプリントをかける縦への鋭さは、今や世界中で恐れられている。
中盤でのボール奪取からトランジションのスピード感は、欧州トップクラブの強度を上回る瞬間すらある。相手の司令塔にプレッシャーをかけ続け、ビルドアップのテンポを狂わせるハイプレスと、自陣で待ち構えるリトリートの使い分け。この「緩急」こそが、オランダのような戦術大国を相手にするうえで最大の武器となるはずだ。