現場取材や経営相談の場で最も多く見受けられるのが、「原価率と利益率の違い」および「値入率(マークアップ)の混同」です。この計算ミスは、価格設定の致命的な狂いを生み出します。
例えば、「原価7,000円の商品に30%の利益を乗せて売りたい」と考えた場合、初心者は往々にして「7,000円 × 1.3 = 9,100円」と計算して販売価格を設定してしまいます。しかし、売上9,100円に対して原価7,000円(利益2,100円)の場合、実際の売上利益率は「2,100 ÷ 9,100 ≒ 23.07%」にとどまり、目標の30%を大きく下回ります。
正しく利益率30%を確保するための販売価格は、売上高を100%(1.0)として逆算する「原価 ÷(1 - 利益率)」の計算式を用いなければなりません。「7,000円 ÷(1 - 0.3)= 10,000円」とするのが数学的・会計的な正解です。原価率(原価 ÷ 売上高)と売上利益率は足して100%(1.0)になる表裏一体の関係にある点を必ず意識してください。