日本の受信料問題の混迷を解き明かすには、海外の公共放送モデルとの比較が不可欠だ。例えば、イギリスのBBCは長年「テレビライセンス料」を採用してきたが、視聴習慣の変化と国民の批判を受けて将来的な徴収制度の見直しや資金調達モデルの転換を議論している。また、ドイツでは世帯ごとに一律で徴収する「公共放送連帯金(放送貢献金)」を導入し、テレビの有無に関わらず全世帯から集める仕組みを作った。
ドイツの方式は「公平性」の観点では未払いを防げるものの、見ない人からも強制徴収するため強烈な反発を招いた。ひるがえって日本のNHK方式は、「契約に基づく任意徴収のような顔をしつつ、法律で事実上強制する」という曖昧な中間路線を採ってきた。この制度的揺らぎこそが、支払う人と払わない人の間に巨大な分断を生み出す根源となっている。