富山県水墨美術館が1年の中で最も華やぎを見せるのが、毎年4月上旬から中旬にかけて開催される「しだれ桜のライトアップ」の期間です。
庭園に植樹された見事なしだれ桜が満開を迎える時期、日没とともに幻想的な照明が灯されます。闇夜に浮かび上がる淡いピンク色の花びらと、漆黒の瓦屋根、そして池の水面に映り込む「逆さ桜」のコントラストは圧巻の一言です。期間中は開館時間が夜間まで延長される日もあり、県内外から多くのカメラマンや花見客が訪れます。
鑑賞の合間に立ち寄りたいのが、敷地内に併設された本格茶室「墨光庵(ぼっこうあん)」です。数寄屋造りの端正な佇まいの茶室からは、計算し尽くされた角度で庭園の緑を愛でることができます。提供されるのは、富山の老舗和菓子店が手掛けた季節の上生菓子と、丁寧に点てられた抹茶。静寂の中で茶筅の音や水音に耳を傾けるひとときは、旅のハイライトにふさわしい贅沢な時間となります。
なお、館内でのランチ事情について、軽食や喫茶の提供は時期によって限られるため、しっかりとした食事を楽しみたい場合は、美術館周辺の富山市中心街や神通川沿いの地元グルメ店へ足を伸ばすルート設計をおすすめします。