物語の骨格を支えるのは、講談社から刊行され累計発行部数数十万部を誇る超人気小説だ。人間の業や社会の歪みを鋭く抉り出す本格派サスペンス・ミステリーとして名高い原作を、いかに映像へ昇華させるか。ここには高度な実写化映画のプロデュース戦略が隠されている。
原作が持つ独特の陰惨さと美しさを損なうことなく、いかにグローバル観客に訴求するか。脚本開発には足掛け3年が費やされ、原作の主要キャラクターであるゆきちゃんの心理描写をより深く掘り下げるための改変が加えられた。原作ファンを唸らせつつ、初見の視聴者をも引き込む見事なアレンジが施されている。