犬の白内障手術を検討する際、動物病院のウェブサイトに記載された「手術基本料」だけを見て予算を組むと、会計時に深刻な齟齬が生じます。実際の支払額は、診断確定から術後ケアに至る一連の医療行為が積み重なった総額(トータルコスト)で判断しなければなりません。
手術を実施する前には、まず眼底検査や網膜電図(ERG)、眼球超音波検査、さらには全身麻酔に耐えうるかを調べる血液検査や胸部レントゲン検査が必須となります。東京都内の動物眼科専門クリニックの診療実績データによると、犬の白内障 術前検査費用と入院日数の実情として、検査費用だけで8万〜12万円程度、入院日数は2泊3日から4泊5日が標準とされています。
さらに見逃せないのが、濁った水晶体を破砕・吸引した後に挿入する「眼内レンズ(人工レンズ)」の存在です。現在、犬用の人工レンズは素材の進化や屈折矯正精度の向上に伴い、片目あたり3万〜6万円程度の追加費用として計上されるのが一般的です。ただし、白内障のステージが進行して水晶体を支えるチン氏帯が脆弱化している場合や、重度のぶどう膜炎を併発しているケースでは、あえて人工レンズを挿入せず無水晶体眼として手術を終える判断が下されることも珍しくありません。
両目同時に実施する場合、麻酔管理料や入院費が一部共通化されるため、単純に「片目の2倍」にはならない設定をしている医療機関が多いものの、それでも70万〜80万円台の現金決済を求められる場面は珍しくありません。これが2026年現在の、犬の白内障手術片目・両目の費用詳細まとめにおけるシビアな実相です。