舞台の裏方として作品全体を俯瞰する演出家の目線と、自らステージに立ち観客の呼吸をじかに感じ取るプレイヤーの視点。小林顕作はその両端を軽やかに行き来する。教育番組で見せるあたたかな表情も、大劇場を震撼させる壮大な演出も、根底にあるのは「観る者を心から楽しませたい」という純粋なエンターテインメント精神だ。
ジャンルの垣根を軽々と飛び越え、子供から大人まで魅了し続けるそのアプローチは、多様化が進む現代の演劇界においても極めて異彩を放っている。枠にとらわれない柔軟な発想と圧倒的な行動力が、彼の存在感を唯一無二のものに仕立て上げている。