濡れ場が単なる客引きではなく、作品の文学性や映画的完成度を高める重要なピースとして機能している映画は、国内外の映画賞でも極めて高く評価されてきました。特に日本アカデミー賞の最優秀作品賞や主演女優賞を受賞した邦画作品には、語り継がれる情愛の名シーンが多く刻まれています。
代表的な例が、李相日監督による『悪人』です。主演の深津絵里と妻夫木聡が演じた、逃避行の果てに灯台で重なり合うラブシーンは、孤独な魂同士が触れ合う切なさと絶望を極限まで描き出しました。深津絵里はこの熱演で見事モントリオール世界映画祭最優秀女優賞を受賞し、日本アカデミー賞でも最優秀主演女優賞に輝いています。
さらに、安藤サクラが壮絶な生き様を体現した『百円の恋』や、吉高由里子の鮮烈なデビュー作となった『蛇にピアス』など、身体を張った演技が物語の核となり、映画全体の芸術性を一段上のステージへと押し上げた作品は枚挙にいとまがありません。