能登空港に降り立った後、目的地となる輪島市街地、珠洲市、能登町、穴水町などへどう移動するか。この「二次交通の確保」こそが、現在の奥能登訪問において最大の分岐点となります。
まず鉄道網に目を向けると、のと鉄道七尾線は震災後に全線復旧を果たしているものの、終着駅である穴水駅から能登空港までは内陸の高台へ約10キロの距離があります。そのため、空港からの主軸となる陸上交通は「特急バス」「ふるさとタクシー」「レンタカー」の3系統に集約されます。
路線バスに関しては、北鉄奥能登バスが運行する能登空港輪島特急バスをはじめとする連絡系統が、航空便の発着ダイヤに合わせて運行スケジュールを最適化しています。主要な復旧拠点や仮設住宅エリア、市街地中心部への直行ルートが確保されており、自家用車を持たない地元住民や公共交通派の来訪者にとって欠かせない足です。また、奥能登2市2町の各方面へ定額・事前予約制で運行される乗り合い型の「ふるさとタクシー」も、事前連絡を済ませておけば重宝する移動手段として稼働しています。
一方で、マイカーやレンタカーの利用環境には明確なメリットと注意点が存在します。最大の強みは、能登空港が誇る900台収容の無料駐車場です。羽田空港周辺のように1日数千円の駐車コストを気にする必要が一切なく、24時間無料で車を停めて東京へ出張できる利便性は、能登在住者にとって絶大な恩恵をもたらしています。
しかし現在、施設側からの公式発表にもある通り、震災で生じた舗装面の沈下やひび割れを根本修繕する災害復旧工事が順次実施されています。2026年2月16日以降も第一駐車場内の一部で駐車規制が敷かれており、繁忙期や復興イベント時には通常時よりも混雑度が増す傾向にあります。さらに、観光客やボランティア、全国からのインフラ復旧事業者が集中するため、能登空港レンタカー予約は極めて逼迫しやすい状況が続いています。「空港に着いてからカウンターで借りればいい」という考えは通用しないため、航空券の手配と同時にレンタカーを抑える段取りが必須条件です。