市販されているハンドジェルを手に取ると、数百円のリーズナブルなものから数千円のオーガニック製品まで多岐にわたります。しかし、感染症対策としての除菌・殺菌効果を重視する場合、絶対に妥協してはならない基準が存在します。
厚生労働省および感染症の専門機関が公表している指針では、ウイルスの膜(エンベロープ)を破壊して十分な不活化効果を得るためには、原則としてアルコール濃度が70%以上95%以下(体積パーセント)のエタノールが推奨されています。流通状況などを踏まえた特例基準でも、最低60%台以上の濃度が求められるのが一般的です。
しかし、ドラッグストア等の棚を精査すると、「アルコール配合」と大きく謳いながらも、実際にはアルコール濃度が10〜30%程度しか含まれていない製品や、そもそも濃度のパーセンテージを開示していない「化粧品区分」のジェルが混在しています。これらは清涼感や香りを付与する目的のハンドリフレッシュジェルであり、医療機関が求めるような殺菌・消毒の基準には達していません。
確実な効果を求めるのであれば、パッケージ裏面の表示を確認し、厚生労働大臣が効果・効能を認めた「指定医薬部外品」の認可番号がある手指消毒液を選ぶのが鉄則です。パッケージに「手指・皮膚の洗浄・消毒」と明確に記載できるのは指定医薬部外品のみであり、単に「除菌」「清潔に保つ」としか書けない化粧品ジェルとは、有効成分の含有保証において決定的な差があります。