ネット上のセンセーショナルな噂に触れた受験生や保護者が最も懸念するのが、「人間関係のトラブルが理由で志望者が減っているのではないか」「入試倍率が暴落しているのではないか」という点です。しかし、実際の入試データを見る限り、そうした俗説は事実と異なります。
芸高の入試倍率への影響を検証すると、ピアノ科や弦楽器科、作曲科などの主要専攻を中心に、例年1.5倍から2.5倍前後の高倍率を維持し続けています。国立で唯一の音楽専門高校であり、授業料が国立高校基準に抑えられている点や、東京藝術大学への極めて高い進学実績を誇ることから、トップ層の志望動機が揺らぐことはありません。
ネット上で流布する「陰湿な足の引っ張り合いで楽譜が隠される」「楽器を壊される」といったドラマのような噂は、昭和・平成初期の都市伝説や極端な創作エピソードが混ざり合って定着した側面が極めて強いと言えます。現代の現場では、防犯カメラの設置や練習室の入退室管理、コンプライアンス意識の浸透により、物理的な加害行為が発生する余地は極めて少なくなっています。