本編のタイムラインから少し外れる外伝的作品について、「シュタインズゲート OVA 見るべきか」「劇場版はスキップしても大丈夫か」と迷う方も少なくありません。
結論から言えば、両作とも鑑賞することを強く推奨します。これらは単なる商業的なファンディスクやお祭り騒ぎの番外編ではなく、物語の精神的支柱を補強する重要な役割を担っているからです。
OVA「横行跋扈のポリオマニア」は、激しいタイムリープの攻防を終えて「シュタインズ・ゲート世界線」に到達したラボメンたちのその後を追ったエピソードです。舞台を秋葉原から米国・ロサンゼルスへと移し、異なる世界線の記憶(デジャヴ)に戸惑う紅莉栖と岡部の微妙な心の距離感が丁寧に描かれます。本編の緊張感で張り詰めた心を解きほぐす、清涼飲料水のような鑑賞体験をもたらします。
そして、興行収入約5.6億円を記録した『劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ』は、シリーズの「真のエピローグ」と呼ぶにふさわしい傑作です。本編において無数の世界線を観測し続けた代償として、岡部の存在自体が世界から揺らぎ、消滅の危機に瀕します。これまでの本編では常に「救う側」だった岡部を、今度は「救われる側」に置き、彼を救うために紅莉栖自身が重い選択を迫られます。テレビアニメ版の結末に深く心を揺さぶられた視聴者であれば、涙なしには観られない完成度を誇っています。