松たか子さんが初舞台を踏んだのは1993年、わずか16歳のときでした。歌舞伎座『人情噺文七元結』でお披露目され、翌1994年のNHK大河ドラマ『花の乱』でテレビドラマ初出演を果たします。少女時代の写真を見ると、黒髪のストレートヘアに凛とした涼しげな瞳、吸い込まれそうな白肌が際立ち、まさに「お嬢様」という言葉がそのまま具現化したような清純さをまとっていました。
当時の芸能界は派手なギャルカルチャーが台頭し始めた過渡期でしたが、松さんが見せたノーブルで清潔感あふれる佇まいは、視聴者にとって鮮烈な清涼剤となりました。岩井俊二監督の映画『四月物語』(1998年)で魅せた桜吹雪の中の初々しい表情は、日本映画史に残る屈指の美しい名シーンとして今なお語り継がれています。