1990年代後半から2000年代初頭、芸能界の勢力図を塗り替えたのが名物社長・野田義治率いるイエローキャブだった。爆発的なインパクトを持つタレントが揃うなか、彗星のごとく現れたのが佐藤江梨子だ。当時のグラビアアイドル像といえば、あどけない愛嬌や健康美が主流。だが、サトエリは違った。モデル顔負けの八頭身スタイルと、洗練された都会的なアンニュイさを漂わせていたのだ。
野田の慧眼は、彼女の持つ「脱アイドル性」を見抜いていた。バラエティ番組で見せる歯に衣着せぬトークと、誌面で見せる息を呑むようなアート性のギャップ。大衆はその二面性に一瞬で引きずり込まれた。毎週のように各誌の表紙を独占し、瞬く間にトップランナーへと駆け上がった背景には、彼女自身のセルフプロデュース力と事務所の戦略が完璧に噛み合った必然があった。