物流業界の労働力不足が深刻化し、再配達率の引き下げが国の重点施策として定着した現在、荷物の受け取り方法は個人の利便性を超えた社会的責任の側面を帯びています。大手ポータルサイトの賃貸検索データでも、単身者向け物件における「宅配ボックス」のこだわり条件指定率は78.4%に達し、エアコンやバストイレ別に次ぐ必須設備となりました。
しかし、全国の民間賃貸住宅のうち宅配ボックスが標準装備されている物件は、築浅マンションを中心とした約4割にとどまります。特に木造アパートや築20年以上の物件では、初期導入費用の負担や共用スペースの狭小さを理由にオーナー側の導入が進んでいません。このギャップを埋めるため、入居者自身による賃貸宅配ボックス後付けの需要が急拡大しています。
同時に、大手ECモールによる置き配ポイント付与プログラムの普及が、玄関前受け取りへの心理的ハードルを下げました。その結果、「手軽に買える据え置き型を置けば解決する」という誤解が広がり、物件の管理規約を無視した自己流の設置が目立つようになっています。