ネット上の掲示板やSNSでは、「美女大国に行けば誰でもモデルのような女性と簡単に出会える」「街を歩けば全員が美女ばかりだ」といった過度な幻想やステレオタイプがしばしば拡散されます。しかし、現地の生活実態を丹念に取材すると、旅行者が抱くロマンと現実の間には無視できないギャップが存在します。
第一の盲点は、「治安リスクと社会不安の代償」です。例えばコロンビアのメデジンやベネズエラのカラカスは、観光地化が進んだとはいえ、依然として外国人狙いの強盗や誘拐、薬物を用いた犯罪が後を絶ちません。マッチングアプリを通じて知り合った現地女性に睡眠薬を盛られ、金品を強奪される事件は日本大使館からも定期的に注意喚起が出されています。メディアに映る華やかな美女たちの背景には、常に犯罪と隣り合わせの緊張感が漂っています。
第二の盲点は、「過酷なルッキズムと経済的プレッシャー」です。外見至上主義が極端に強い社会では、美しくないことに対する社会的な風当たりが極めて強く、若い女性たちが自己肯定感を保つために借金をしてまで美容整形やブランド品に依存するケースが社会問題化しています。また、ウクライナなどの東欧諸国では、長引く戦争や経済的困窮に乗じた国際的な結婚詐欺や人身売買の被害が深刻な影を落としています。
写真や動画のフィルター機能が高度化した2026年現在、SNSに流れてくる「街の美女」の映像は、特定のエリアで意図的に撮影された切り抜きに過ぎない場合が多々あります。現地の女性たちも普段はノーメイクで素朴な生活を送っており、記号化された「美女」のイメージだけで国全体を一括りに語ることは、実態を見誤る危険を孕んでいます。