惨劇の舞台となったのは、ウクライナ空軍第14軍団の設立60周年を記念するイベントだった。晴れ渡った空の下、約1万人の観客が滑走路周辺に集まり、迫力ある曲芸飛行に歓声を上げていた。事故を起こした機体は、ロシアのスホーイ設計局が開発した大型双発戦闘機「Su-27UB」である。圧倒的な運動性能を誇るこの名機が、急降下からの引き起こし運動という高度な演目を実行していた。
しかし、高度は致命的なまでに低すぎた。低空での旋回中、右翼が滑走路脇の樹木を掠め、続いて地上に留め置かれていた他の航空機の機首に接触。バランスを完全に崩した重装甲の戦闘機は、そのまま滑走路上の観客が密集するエリアへと猛烈なスピードで滑走・激突した。激しい爆発が起き、一瞬にして平和な行楽地は炎と血煙に包まれた。
このスクレニウ航空ショー惨事において、犠牲となった77名のうち28名は子供だった。単なる機体の損壊にとどまらず、地上にいた多数の家族連れが巻き込まれたことが、この事故の悲劇性を極限まで高めている。