現役引退後、彼女の戦場はスポーツの現場から政治・行政の核心部へと移った。自由民主党に所属し、参議院議員として長年にわたりスポーツ振興や青少年育成の政策を推進。日本オリンピック委員会(JOC)の副会長や競技団体幹部を歴任し、日本スポーツ界の顔としての地位を揺るぎないものとした。
その手腕がもっとも試されたのが、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の会長就任だ。パンデミックという前代未聞の危機に見舞われ、混乱を極めた大会運営の舵取りを引き受けた彼女は、激動のなかで組織をまとめ上げ、大会を完走へと導いた。重圧に押し潰されそうな局面でもブレない姿勢は、過酷な勝負の世界と大人数の子育てで磨かれた強靭なメンタリティの賜物だろう。