定期試験や大学入試で確実に得点源にするための、実戦的な記憶テクニックと計算プロセスの標準化手順を伝授します。
混同を防ぐ「倍数比例の法則の覚え方」
提唱者と法則名を結びつける最も強力な暗記フレーズは、次のゴロ合わせです。
「プロの定食、ドルばい(倍)増し」
- プロの定食:プルースト $\rightarrow$ 定比例の法則
- ドルばい増し:ドルトン $\rightarrow$ 倍数比例の法則
さらに法則の意味についても、「倍数」という言葉そのものに着目します。「相手の元素が2倍、3倍と増えていくから倍数比例」と視覚的にイメージしておくと、複数の化合物を比較する法則であることが直感的に思い出せます。
倍数比例の法則 計算問題を攻略する3ステップ
入試や模試で出題される計算問題は、以下の3ステップのフォーマットに数値を流し込むだけで機械的に解くことが可能です。
【例題】
金属 $M$ と酸素からなる2種類の酸化物XとYがある。分析したところ、酸化物Xには $M$ が70.0%、酸素が30.0%含まれていた。また酸化物Yには $M$ が77.8%、酸素が22.2%含まれていた。この結果が倍数比例の法則に合致していることを示せ。
【ステップ1:分析データを表に整理する】
化合物の全量を100gと仮定して、各成分の質量を書き出します。
- 酸化物X:$M = 70.0\text{g}$、$\text{O} = 30.0\text{g}$
- 酸化物Y:$M = 77.8\text{g}$、$\text{O} = 22.2\text{g}$
【ステップ2:基準元素($M$)の質量を1.00gに正規化する】
それぞれの酸化物において、金属 $M$ 1.00gあたりに結合している酸素の質量を割り算で求めます。
- 酸化物Xにおける酸素の質量:$$\frac{30.0\text{g}}{70.0\text{g}} \fallingdotseq 0.4286\text{g}$$
- 酸化物Yにおける酸素の質量:$$\frac{22.2\text{g}}{77.8\text{g}} \fallingdotseq 0.2853\text{g}$$
【ステップ3:酸素の質量比を簡単な整数比に直す】
求めた酸素の質量同士の比を計算します。
$$\text{酸化物Y} : \text{酸化物X} = 0.2853 : 0.4286 = 1 : 1.502 \fallingdotseq 2 : 3$$
比が「$2 : 3$」という極めて整った整数比になったため、倍数比例の法則が成立していることが証明されました(ちなみにこの化合物は酸化鉄(II) $\text{FeO}$ と酸化鉄(III) $\text{Fe}_2\text{O}_3$ に該当します)。