これが今なお語り継がれる近藤真彦母親遺骨盗難事件の全貌である。授賞式当日の緊張感は極限に達していた。賞を受け取るべきか、辞退して遺骨の奪還に賭けるべきか。近藤真彦本人は激しい葛藤の末、賞を受賞する決断を下す。授賞式の壇上で見せた引き締まった表情と涙には、苦渋の決断と亡き母への揺るぎない覚悟が込められていた。
犯人の真の目的はいまだ闇の中にある。単なる金銭目的なのか、それとも熱狂的ファンの偏執的な憎悪なのか、あるいは芸能界や事務所に対する個人的な怨恨だったのか。遺骨の返還と引き換えに要求された金額のやり取りも不調に終わり、犯人は指定の場所に姿を現さなかった。冷血な犯行手口から、警察の捜査線上に複数の容疑者が浮上したものの、確実な証拠をつかむことはできなかった。