彼女の魅力を語る上で外せないのが、相反するジャンルで見せる圧倒的な振り幅だ。緊迫した展開で観客の息を呑ませるサスペンスドラマでは、人間の業や狂気を冷徹なまでのリアリティで演じ切る。一方で、家族や愛をテーマにしたヒューマンドラマに転じれば、観る者の心の一番柔らかい部分にそっと寄り添うような温かい涙を誘う。
役柄によって声のトーンから歩き方、呼吸の浅さに至るまで完璧にコントロールする技量。共演した実力派俳優も「カメラが回り始めると、目の前の人間がまったく別の人物に変わってしまう」と驚嘆を隠さない。この恐るべきカメレオンぶりが、彼女の評価を決定的なものにしている。