特殊メイクやデジタル加工に頼らず、演技そのもので目に独特の質感をもたらす俳優も存在する。その鍵を握るのが、まばたきを極限までコントロールする肉体的な演技アプローチだ。
あえてカメラの前でまばたきを数十秒間我慢すると、一時的にドライアイの状態が生じる。すると自然と涙膜が厚くなり、ライトの光を複雑に反射して目元に鋭いウルウルとした光沢が生まれるのだ。ただし、この方法は一瞬の撮影に絞って行うのが鉄則だ。さらに、下瞼のフチにほんの少しベビーワセリンを仕込むことで、涙が溢れ出そうに見える視覚効果を与える演技テクニックもある。道具と演技の組み合わせ次第で、体に負担をかけずとも圧倒的な存在感を放つことができる。