住まいの空気がもたらす健康被害に対しては、国際的な保健機関も動きを強めている。世界保健機関 (WHO)は屋内の湿気およびカビに関するガイドラインの中で、呼吸器疾患にとどまらず神経学的影響へのリスクを警告してきた。国内の公的機関である厚生労働省においても、建物の室内空気質(IAQ)管理やシックハウス症候群予防の観点から、住環境衛生の維持向上を推奨する指針を継続的に発信している。
医療・ヘルスケアの現場でも、従来の「薬物療法依存」からの脱却が進む。診療の問診票に「自宅や職場の結露・水漏れ経験」や「エアコンのカビ臭さ」といった生活環境の設問が盛り込まれ始めるなど、環境改善そのものを医療行為の一環と捉える新しい潮流が確実に定着しつつある。