のれんをくぐると漂う、どこか懐かしい穏やかな豚骨の香り。券売機に並ぶ博多ラーメンはかたや堅粕店のメニューは、潔いほどのシンプルさと驚異的な価格設定で訪れる者を圧倒します。主軸となる「博多ラーメン」は税込290円。大盛ラーメンやチャーシューメン、キクラゲやネギといった追加トッピングを贅沢に選んでも、一般的なラーメン店の基本価格に遠く及びません。
注文から提供までの時間は極めて短く、食券を渡してからわずか1〜2分程度で銀のお盆に乗せられた丼が目の前に置かれます。白濁したスープに浮かぶのは、ネギと小ぶりのチャーシュー1枚。スープを口に含むと、昨今流行のドロドロとした濃厚豚骨とは対照的な、サラリとしたライト豚骨の風味が広がります。豚骨特有の臭みは徹底的に抑えられており、脂っこさがないため、朝からでも胃に負担なく収まる仕立てです。
麺は博多特有のストレート極細麺。小麦の風味が素直に感じられ、スルスルと喉を通っていきます。麺を食べ終える絶妙なタイミングで注文したいのが、はかたや堅粕店の替え玉(税込100円)です。平ザルで湯切りされた茹でたての麺が素早く投入され、卓上に常備されているラーメンのタレ、すりゴマ、コショウ、紅生姜を加えることで、1杯目とは異なる自分好みの濃さに味変して楽しむのが常連客の流儀となっています。