日本料理の頂点として名を馳せる京都つる家 岡崎本館の歴史は、昭和3年(1928年)、昭和天皇の即位の礼(御大典)に際して京都・岡崎の地に開設されたことに始まります。東山を借景にした広大な日本庭園は、名匠・七代目小川治兵衛(植治)の手によるものであり、近代数寄屋建築の粋を集めた佇まいは、まさに日本の美意識を結晶化させた空間でした。
京都つる家が「世界に誇る迎賓館」としての地位を確立した象徴的な出来事が、1975年のイギリス・エリザベス女王夫妻の来日です。公式晩餐の場として選ばれたつる家では、日本の伝統美と最高峰の美味でおもてなしが振る舞われ、女王から絶賛の言葉が贈られました。その後もフランスのミッテラン大統領やアメリカのブッシュ大統領など、世界各国の国賓接待の舞台として選ばれ続け、日本外交の重要な役割を果たしてきたのです。
こうした妥協のない美学と調理技術は国際的にも高く評価され、世界的な美食ガイドである京都つる家のミシュラン評価においても、初年度の京都・大阪版において最高峰の三つ星を獲得。茶懐石の精神を根底に据えた季節の移ろい、一期一会のもてなしは、日本料理の世界的評価を決定づける原動力となりました。