CGや吹き替えに頼らない。これが本作の鉄の掟だった。主演の一ノ瀬ワタルをはじめ、猿将部屋の力士を演じた役者陣は、本格的な撮影が始まる前に1年以上におよぶ専門的な肉体改造と相撲稽古に励んだ。元力士や専門トレーナーの指導のもと、高カロリーな食事摂取と過酷なウエイトトレーニングを日課とし、体重を数十キロ単位で増量。四股を踏み、ぶつかり稽古を毎日何時間も繰り返したという。
その結果生まれたのは、既存の映画やドラマで見られた「力士風の衣装を着た俳優」ではない。本物の関取と見紛うばかりの肉体美と、股関節の柔軟性、そして全身にしみついた本物の所作だった。撮影現場では怪我人が続出するほどガチンコのぶつかり合いが行われ、その緊張感がそのままカメラに焼き付けられている。