厚生労働省のもう一つの大黒柱である労働政策においても、大きな転換点が訪れています。労働基準法改正動向を巡っては、時間外労働の上限規制(2024年4月適用)以降に表面化した「物流・建設・医療現場の人手不足問題」を受け、さらなる制度の柔軟化と労働者保護の両立が議論の俎上に載っています。
具体的には、以下のような多角的な論点が労使双方を巻き込んで議論されています。
- 副業・兼業時の労働時間管理:労働者の自己申告制の緩和と健康管理義務の明確化。
- リモートワーク環境下の裁量労働制:成果型評価と長時間労働抑止のガイドライン刷新。
- 賃金上昇と最低賃金目標:全国加重平均1,500円への到達に向けた中小企業支援の強化。
省内の審議会や労働政策審議会では、経済界代表が「過度な規制が企業の成長力を削いでいる」と主張する一方、労働組合側は「実質賃金が目減りするなかでの規制緩和は過労死の温床になる」と猛反発しています。厚労相会見での大臣答弁からは、法改正の着地点をどこに置くかについて慎重に言葉を選び続ける苦悩が伝わってきます。