あの胸をえぐるようなサスペンスと、家族の絆をめぐる切ない叙事詩。TBSテレビ系の日曜劇場枠で社会現象を巻き起こした『テセウスの船』の主題歌として、この楽曲は産声をあげた。主演を務めた竹内涼真の鬼気迫る熱演と、時空を超えて真実を追う悲壮感。その過酷な物語の受け皿として、ドラマ制作陣が求めたのは「絶望の淵に差す一条の救い」だった。
制作背景を振り返ると、Uru自身が脚本を幾度も読み込み、物語の登場人物たちが抱える孤独と愛に深く寄り添いながらペンを走らせたという。歌詞に綴られた言葉は、主人公・田村心が抱く父への想いとも、過酷な運命に翻弄される家族の祈りとも取れる。だが、それだけではない。「もしもあなたが笑ってくれるなら」という愚直なまでの自己犠牲と愛情は、普遍的な人間関係の痛みと温もりをあぶり出す。フィクションのドラマを越境し、聴く者それぞれの個人的な記憶へと接続する奇跡的なシンクロが、ここに完成した。