「りりちゃん」という虚飾の仮面を剥ぎ取られた渡邊真衣は、どのような半生を歩んできたのか。法廷での本人供述や提出された証拠資料によると、その生い立ちは幼少期からの機能不全家族と深い孤独に根ざしています。
愛知県内の家庭で育った彼女は、両親とのコミュニケーションが断絶した環境で育ち、学校でも周囲に馴染めず孤立感を深めていきました。自尊感情を育めないまま成長した彼女は、高校を中退後に家を飛び出し、居場所を求めてアルバイトを転々とする日々を送ります。この青年期の孤独と「自分には何の価値もない」という根深い自己否定感が、後の犯罪の温床となっていきました。
彼女の経歴が決定的な転機を迎えたのは、東京都新宿区・歌舞伎町への進出でした。アパレル店員や風俗店勤務などを経て歌舞伎町のネオン街に足を踏み入れた彼女は、そこで人生を狂わせる「ホストクラブ」と出会います。法廷での証言によると、担当ホストから甘い言葉で肯定されたことで強烈な依存状態に陥り、彼女の日常は一変しました。
担当ホストの売上ランキングを上げるためだけに、1晩で数百万円、月間数千万円単位の現金を投じる過激なホスト狂いへと加速。莫大な売掛金(ツケ払い)の返済に追われた結果、彼女は男性心理の隙を突いた詐欺行為へと本格的に手を染めていくことになります。