本作の根幹にあるのは、冷え切った夫婦関係と突然の悲報が生んだ悲劇的な選択です。専業主婦の神崎美羽(松本若菜)は、大手商社に勤める夫・神崎宏樹(田中圭)からの度重なるモラルハラスメントに心をすり減らしていました。そんな折、美羽は幼馴染であり密かに想いを寄せていた冬月稜(深澤辰哉)と運命的な再会を果たします。
二人は一度だけ一線を越えてしまいますが、その直後、冬月がアフリカの紛争地でテロに巻き込まれ死亡したという誤報が届きます。絶望の淵に突き落とされた美羽は妊娠に気づき、お腹の子が冬月の子であることを確信。「冬月の生きた証を守りたい」という一心から、宏樹の子として育てる「托卵」を決意します。
しかし、物語は美羽の計算通りには進みません。娘・栞(しおり)が誕生した瞬間、宏樹の中で決定的な変化が起こりました。それまで冷淡だった宏樹が、我が子を抱いた瞬間に父親としての自覚に目覚め、献身的な良き父へと激変したのです。さらに死んだはずの冬月が生還し帰国したことで、美羽のついた嘘は次第に周囲を巻き込む破滅のカウントダウンへと変わっていきました。
親友である小泉真琴(恒松祐里)による真実の暴露、DNA鑑定によって突きつけられた残酷な現実、そして宏樹の絶望と葛藤。キャスト相関図における「愛」「罪」「親子の絆」の矢印が複雑に交錯し、物語は誰も予想し得ないクライマックスへと加速していきました。