コストを抑えて暮らしたい若年層を中心に、あえて事故物件を狙う動きもあるが、実際の事故物件の家賃相場は事案の重さによって段階的に形成されている。
発見の早かった孤独死や病死などの場合、相場からの下落率は1割程度にとどまることが多い。これが首吊り自殺や長期間放置された孤独死となると2〜3割前後の値引き、凄惨な殺人事件や連続放火などの現場となれば半額近くまで家賃が下がるのが通例だ。
ただし、ここで注意すべきは「半額の恩恵を受けられるのは最初の入居者1人目だけ」という不動産業界の構造である。国交省のガイドライン上、賃貸における告知期間がおおむね3年とされたことで、1人目の入居者に格安家賃で短期間(1〜2年の定期借家契約など)住んでもらい、告知義務の期限を消化した後は正規の相場家賃に戻して一般募集を再開する手法が定着している。永遠に相場より安く住み続けられるわけではない点には留意したい。