現地を訪れた者が誰もが驚くのが、同じ建物の2階渡り廊下で結ばれた竹久夢二美術館とのシームレスな空間構造だ。一回の入場料で二つの異なる美の小宇宙を回遊できるこの贅沢な設計には、創立者の深い情熱が隠されている。
今回の限定展示の裏側には、キュレーターたちの並々ならぬ執念があった。個人蔵の秘蔵コレクションを何年もかけて交渉し、特別借り受けに成功した未公開スケッチ群。それらが展示室の光線設計に至るまで徹底的に計算されて並べられている。普段は見ることのできない制作の裏側や、作家同士の交友関係を示す書簡など、学術的にも価値の高い独占情報が惜しみなく開示されている点は、まさに眼福と言うほかない。