大手フリマアプリ「メルカリ」や「Yahoo!オークション」でトイレットペーパーの芯を検索すると、驚くほど多数の出品と成約履歴が確認できます。一見するとゴミ同然に見える紙筒が、なぜお金を出してまで購入されるのか。その背景には、個人の家庭環境や教育現場が抱える切実な構造的需要が存在します。
最大の買い手となっているのは、保育園・幼稚園の教員や、小学生の子どもを持つ保護者層です。幼稚園や小学校の図工の授業、あるいは季節の工作イベントでは、クラス全員分として一度に数十本から数百本の芯が必要になります。核家族化が進み、温水洗浄便座の普及などでトイレットペーパーの消費ペースが落ちている現代の一般家庭において、短期間でまとまった本数を自力で集めるのは極めて困難です。そのため、「時間と手間をお金で買う」という合理的な選択としてフリマでのまとめ買いが発生しています。
加えて、ハムスターなどの小動物愛好家がかじり木やトンネルの消耗品として購入するケースや、ハンドメイド作家がラッピングの芯材として買い求める事例も定着しています。フリマ市場における相場は50本で約400円〜600円、100本で約800円〜1,200円(送料込み)が中央値となっており、大儲けはできないものの「捨てるはずのゴミを確実な小遣いへ変える手段」として成立しています。