多くの市民に愛されたあの場所の原点はどこにあったのか、クリスタル広場の歴史と経緯を少し振り返ってみましょう。広場が産声を上げたのは、東海道新幹線開通から5年後の1969年(昭和44年)11月。サカエチカのグランドオープンと同時に誕生しました。
地下という閉鎖的な空間に自然の潤いと透明感をもたらすべく、初代のシンボルとして設置されたのが「ガラスの泉」でした。水が湧き出る噴水と繊細なガラス造形が融合したこの広場は、瞬く間に市民の心を掴み、いつしか「クリスタル広場」という呼称が公式名称として定着していったのです。
時代が平成に移り変わる中でも、オブジェはその姿を進化させ続けました。1999年のサカエチカ開業30周年時には、現代的な光とガラスのアート作品へとリニューアルされ、LED照明との連動によって幻想的な空間を演出。歴代のオブジェはいずれも「水と光」をテーマに掲げ、半世紀以上にわたって名古屋市民の出会いと別れを静かに見守り続けてきました。だからこそ、撤去が発表された際にはSNS上でも多くの惜しむ声が寄せられたのです。