グローバル企業に目を向けると、睡眠と労働をめぐる言説は極端な振れ幅を見せる。実業家イーロン・マスクは、テスラやX(旧Twitter)のオフィス床で寝泊まりしながら猛烈に働く姿勢を自ら実践し、話題を集めた。彼はこれを「ハードコア」なハードワークの象徴として称賛してみせた。
急成長を追求するグローバルなIT業界において、睡眠を削ってハードワークに没頭するカルチャーは長く称揚されてきた。デスクの下に寝袋を敷いて徹夜でコードを書くスタイルが、一種の英雄譚として語られた時代もある。
だが、こうした極端な過密労働に対しては海外の労働組合や専門家から激しい批判が噴出している。現在では「持続不可能なパフォーマンス」として見直しが進み、過剰な犠牲を強いる社風からの脱却がトレンドとなりつつある。