社会人になって最も過酷な現実に直面するのが職場環境です。「仕事ができない」「メモを取っても実行できない」という現象の裏には、認知的処理のキャパシティを超える情報量が関係しています。
電話対応をしながらメモを取り、同時に来客対応を行うようなマルチタスクは、処理速度や一時的な記憶保持が苦手な特性にとって極めてハードルの高い作業です。また、マニュアルに書かれていない突発的なトラブルへの対応や、優先順位の組み換えが求められると、思考がフリーズしてしまいます。
こうした状況が続くと、上司からの叱責や同僚からの孤立を招き、自己否定感を深める悪循環に陥ります。重要なのは、本人のやる気や根性の問題ではなく、「視覚的なチェックリストの導入」「手順を1つずつ分割したシングルタスク化」といった環境調整がなされていない点に根本原因があるという視点です。