国家の総力戦を描いた合従軍編では、数多くの名将や強敵が散っていきました。キャラクターたちの生き様と死に様は、本作のドラマ性を決定づける重要な要素となっています。
信の魂を揺さぶった「麃公と龐煖の一騎打ち」
合従軍編における屈指の落涙ポイントが、本能型の極致・麃公と趙の武神・龐煖の一騎打ちです。李牧の策を見破り単身追いついた麃公でしたが、天性の武力を誇る龐煖の前に圧倒的な劣勢を強いられます。しかし片腕を折られながらも麃公は笑みを崩さず、龐煖の腕をへし折る執念を見せました。駆けつけた信に対し、麃公が叫んだ最期の言葉——「前進じゃァ! 突撃じゃァ!」「火を絶やすでないぞォ」という絶叫は、信の心に生涯消えない将の遺志を刻みつけました。
中華最強の看板を砕いた「蒙武と汗明の死闘」
合従軍編の戦闘描写で最大級の破壊力を見せたのが、蒙武対汗明の激突です。楚の巨人・汗明は自らを「中華の至強」と豪語し、圧倒的な体格と剛腕で蒙武の左腕を粉砕します。割り込んできた楚将を払う際に息子の蒙恬が重傷を負わされ、父としての怒りと自負を爆発させた蒙武は限界を超越。自らの骨が砕ける音も厭わずに鎚を振り下ろし、ついに汗明の頭部を叩き割って勝利を掴み取りました。秦軍の士気を天にまで押し上げたこの戦いは、合従軍の屋台骨を根底から揺るがす決定打となりました。