さつま編みとは、3本のストランド(子綱)を撚り合わせた「3つ打ちロープ」の先端を解き、本体の撚り目に編み込んで輪を作る技法です。海事・索道分野では英語でアイスプライス(Eye Splice)と呼ばれ、日本では薩摩藩の水軍由来とも伝えられる伝統的なロープの端処理による輪っか加工を指します。
一般的な結び(もやい結びなど)が強い引っ張り荷重を受けると、屈曲部に応力が集中してロープ本来の強度が40〜60%程度まで低下するのに対し、さつま編みは原糸の強度を約90〜95%以上維持できる点が最大の利点です。荷重がかかるほどロープ本体の撚りが締まり、編み込んだストランドを強く圧着する「自己締結(セルフタイトニング)」の摩擦構造が働くため、引っ張られるほどに強固になり、絶対にほどけない状態を生み出します。
トラック輸送におけるトラックロープのさつま編みは荷締め具フックへの掛け外しをスムーズにし、玉掛け作業や建築現場の台付ワイヤーのさつま加工と同様に、現場の作業効率と安全性を支える基本構造となっています。