政治的権力を持たない日本の皇室が、なぜこれほどの外交的影響力を発揮できるのか。宮内庁と日本国外務省の緻密な連携がその裏舞台を支えている。政治的利害を排した「純粋な親善外交」に徹することで、いかなる立場にある国々からも中立かつ高潔な存在として受け入れられるのだ。
ある外務省幹部は「政府間の外交が緊張した局面を迎えても、皇室外交がもたらすソフトパワーが相手国の対日感情を劇的に和らげることがある」と明かす。皇室が長い歴史の中で培ってきた信頼の蓄積こそが、日本の国家威信を支える目に見えない最大の外交資産となっている。